思えば遠く来たもんだ @てねしー

オットの転職で2019年7月に東京からテネシー州ナッシュビル近郊に引っ越してきたアラフィフ母さん、みかえるのブログです。

年末年始、久しぶりに日本の小説を読みました

年末年始、Kindleで購入した日本の小説を読みました。

一時帰国の時に本屋さんで文庫本を買って以来です。その時は恩田陸さんの蜜蜂と遠雷のスピンオフ的な短編集というかエッセイ集というか、そんな本を買いました。

そういや蜜蜂と遠雷、映画見たいなあと思って見てないですね…。

 

で、今回はTwitterで(私の主な居場所はTwitterなんですね、あらためて)相互さんが教えてくれた2作品。

年末には横山起也さんの「編み物ざむらい」、年始には辻村深月さんの「傲慢と善良」、この2作品を読みました。どちらの作者もはじめまして、でした。

先日の大奥(NHKのドラマでよしながふみさんの漫画が原作)の番宣で確かヤマコーさんが「時代劇はファンタジー」と言ってたと思うのですが(その時代に生きていた人は誰もいないから、想像で物語を紡ぎ出せるということなんだなと思いました)、まさに「編み物ざむらい」は時代劇ファンタジー。こういうお侍さんもいたのかもしれないけれど、物語の中の色々なピンチを編み物スキルと各種イリュージョンで乗り越えていく、そしてふにゃふにゃしていた主人公もなんかちょっと成長しちゃうみたいなお話で、サクサク読めるし娯楽としてなかなかに面白かったです。続編もあるだろうし、今後も期待。

私は今はかぎ針編みしかしないけど(昔は棒針編みにもトライしたことありますよ、もちろん)棒針編み(メリヤス)が得意な主人公が道具を大切にするのも好感が持てるし(本当に道具は大事)、編み物する人には特におすすめ。自分ももっと編み物スキル伸ばしたいなあと思わせる作品です。

 

 

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「傲慢と善良」これはなんというかゴリゴリに抉られる話でした。北関東の片田舎から大学進学を機に東京に出てきた私にとって、主人公の姉は私と似た境遇で。私の実家というか両親は新婚の頃に東京で暮らしていたこともあり、主人公の両親とは全く違うので、主人公やその姉が感じたようなことは一切なかったのですけども。でも田舎の窮屈さ、考え方の狭さ、その中だけで生きていくなら(いわゆるマイルドヤンキーとしてですね)それはそれで幸せっちゃあ幸せなんだろうなと思いつつもやはりあの中ではもう生きていけないよなあと思ったり。

それにしても「こころ」的な構成で一つの事象に対して男性側と女性側で表と裏のように綴られていく物語にも唸らされたし(男性側と女性側で筆致も違うというか、第二部はひらがなが多くて主人公の女性の内面が分かりやすかった気もします)、第一部のミステリの謎解きみたいなのも面白いし、最終的にそれぞれが内面の葛藤を乗り越えて大団円みたいなのも(内面的にはまだまだこれからも葛藤が続くとはいえ)外から見たらめでたしめでたしなのもすごいなと。

なんかもっと書きたかったような気もするけれど(思い出した、東日本大震災というのはやはりもうその前と後ではまったく異なる日常を送らざるを得なくて、物語にも入らざるを得ないんだなと思ったんだった)まあいいや。文庫版あとがきによれば、この物語に出てくる人が他作品でも出てくるようで(そういうのはやはり物書きにとって楽しいのかなあ)、そちらの作品も読んでみたくなりました。

 

私は日本にいた時からツイ廃なんだけど、目的によってアカウントを使い分けずに1つのアカウントで雑多なTLで色々な情報をゲットしていて、たまにこういう「これは!」というツイートにに出会って、思いがけない世界がどーん、みたいなのがあるから面白いなあと思っていて、イーロン・マスクのせいでマストドンアカウントも作るはめになったけど、それでもツイッタランドに居続けたいなと思ったりしています。

Twitterのアカウントを作った時はまだガラケーの時代で、自分の属性が働く母立ったのでその界隈をフォローし、そこからワークライフバランスカフェにもつながり、働く母ではなくなったけれど中学受験の時はその界隈をフォローしまくりなんとか乗り越え、渡米するときは在米界隈を、かぎ針編みするようになってからはその界隈を、と自分がフォローする人たちを増やすたびに界隈から刺激を受けてきたので、これからもそんな感じで、本もそうだけど他のことも色々ヒントを得ていきたいなと思います。